うらめしや8巻「狐の嫁入り」をみて

こんにちは。ダディです。

昼休み中に読んでいて泣きそうになりましたので紹介します。

ネタバレしているんで、ご注意を。


「うらめしや」とは

「うらめしや」と称する祈祷師というか呪術師というか霊や妖怪の類と戦ったり、神様の願いを聞いたりします。

マンガはコミックスが26巻まで出ており、完結しているようです。

僕は現在、9巻まで読んでいます。

それぞれの事件が3話程度で完結します。

途中から読んでも十分楽しめると思います。

最初から読んだほうが、キャラの個性が分かりやすくて良いですよ。

メンバー紹介

主人公は「お妖」という霊力の強い女性で、呪術や呪法が使えます。

「うらめしや」として、怪奇的な事件を解決するのですが、街の人からは気味が悪いと言われ恐れられています。

お妖の夫となる「佐治」。

もともとチンピラですが、お妖と行きずり的な出会いから生活を共にして、素敵な男になりました。

2人は、おばけ長屋に住んでいます。

長屋の隣の部屋に、狐の「東火」が住んでいます。

親父さんが霊狐で超有名です。

東火が調子に乗ったのが親父さんにバレて、お妖に仕えるように言われて人間界で生活しています。

狐の嫁入り

東火の一族から「おこん」という女の子が水神様へ嫁入りすることになりました。

その花嫁修業を人間界で行う事になり、東火の家に来たのです。

花嫁修業をするのは、お妖の家です。

東火のいつになく真剣な申し出に、お妖は快諾します。

そこへ佐治が帰って来ました。

すると、おこんちゃんは人間の姿から狐に戻ってしまいました。

動揺したりすると、変化の術が解けるらしい。

その様子から、おこんちゃんは佐治に好意を寄せている事が伺えます。

こんな具合で話が始まるのですが。

花嫁修業

しっかり花嫁修業をつけてやると言ったのですが、お妖は家事が苦手です。

米を研ぐにも「米がちょっと溢れるくらい気にするな」

米を炊く火加減も「適当で良い」

見兼ねた佐治が取って代わります。

繕い物や家事炊事を教えます。

水神様へ嫁ぐ前夜。

良いお酒に良い料理。

東火の術で、おこんちゃんには白無垢を、何故か佐治には紋付袴。

「花嫁修業の仕上げだ」と、後ろには金屏風。

「とっても似合っている」とお妖。

「素敵な花嫁御寮だ」と東火。

「ぱーっと行こうぜ!おこんちゃんの門出のお祝いだ!」と佐治。

おこんちゃんは、とても幸せそうに笑うのでした。

翌朝。

佐治が目を覚ますと、おこんちゃんは東火と一緒に稲荷山へ帰ったとの事。

おこんちゃんは、しばらく佐治の寝顔をながめていたらしい。

佐治と言葉を交わすと、今度こそ大泣きしてしまうから、と。

そして佐治に着物を渡すお妖。

おこんちゃんがお礼にと、夜なべして繕ったらしい。

佐治は、お妖が隠し事をしていることに気付き、問い質しました。

嫁入りの真相

水神様の嫁入りとは、生贄を差し出すこと。

おこんちゃんは、水神様の宝水ヶ池に沈められるのです。

せめて最後の一時を好きな佐治と一緒にいたい。

それが、おこんちゃんの望みだったのです。

佐治は言いました。

「なんで言ってくれなかったんだ。知っていれば、俺はもっと、もっと。。。」と涙を流します。

「知っていれば、お前はそうして泣いちまうだろう。」と、お妖。

そして東火が稲荷山から帰ってきました。

嫁入りはつつがなく終わったとの事。

おこんちゃんの望みで、あの夜の白無垢姿で、取り乱すこと無く静かに宝水ヶ池に沈んでいったのでした。

佐治は、おこんちゃんの繕った着物を着ていました。

縫い目がたどたどしく、所々に血がついている。

懸命に縫い上げたとわかる。

あの子がどんな思いでこれを。

「それを思うとたまらねぇ。」

まぁ、こんな感じ。

感想

なんとも理不尽で救いのない内容でした。

お妖の霊力を持ってしても、神々の崇高な領域なので、人間には手も足も出ない、助けることが出来ないのです。

その現実を健気に受け入れる、おこんちゃんのいじらしさ。

このいじらしさが、とても素敵で美しい。

おこんちゃんの心持ちは、見習うべきです。

そして佐治。

ちょっと前までチンピラで、ちょっとクソだったのですが。

こんなにも優しい男になってしまいました。

こいつの涙に、つられて泣いてしまいました。

そりゃ、おこんちゃんも惚れるわ。

そして東火。

お妖をめぐっての恋敵的存在で、佐治をぞんざいに扱うことが多いのですが。

「今回ばかりはお前に礼を言う。」と、両手をついて頭を下げるのです。

佐治のおかげで、最後の一時を幸せに過ごすことが出来たと。

おこんちゃんの事を不憫に思っている、なんとも言えない気持ちが伝わって来ました。

そしてお妖。

最後に、夢を見たと言うのです。

水神様は宝水ヶ池の底で、佐治に良く似た姿で、おこんちゃんを迎えたと。

佐治は、嘘だと見抜きます。

とても優しい嘘で、宗教に通じるところがあります。

死後、何もない筈なのですが。

その後に少しでも救いがある事を願いたくなる。

それは自分の為でなく、誰かの為。

そう思える内容でした。

そして思ったこと

できれば僕も、死後に幸あれと願って貰えるような人間になろう。

そのためには誠実に生きるしかないんでしょうね。

僕には無理かな。

なんかもう、小手先で済ませて生きている感じです。

まぁ、それでも幸せなんで、いいか。

とりあえず。

今から焼肉食べ放題に行ってきます!

コメント