ラプンツェルを観ていて思ったこと

こんにちは。ダディです。

近頃「こんにちは」と入力すると予測変換で「ダディです」まで表示されるようになりました。ブログを続けいている証拠ですね。愛機Chromebookが認めてくれていると思うと胸が熱くなります。

最近晩酌を控えているのですが、今日はちょっと自分にご褒美的な感じで缶酎ハイを2本買いました。

ですのでちょっとお酒が入っていますから、僕の得意な分野の住宅設備で困った時のような内容は書かない方が良さそうだと思ったので。

思いつきで書き散らそうと思います。

タイトルの通り。ディズニーのラプンツェルを観て思ったことです。


ディズニープリンセスは王子に見初められて伴侶となりプリンセスの地位を獲得する人と生まれながらにプリンセスのどちらかです。

ラプンツェルは後者に当たります。

そしてこの類の王女はお見合い的に他国王子と結婚するか、窃盗犯に心を盗まれるのです。

ラプンツェルは後者に当たります。

そしてこの類の王女は王女としての地位に辟易しているか、自らが王女である事を知らずに育ちます。

ラプンツェルは後者に当たります。

この子、後者にばっかりあたってますね。僕のさじ加減なのですが。

観ていて思ったことは、ラプンツェルに対してではありません。
継母と言うべきか、誘拐犯と言うべきか。
クライマックスで塔から落ち、跡形もなく消え去った悲しき女性、ゴーテル。

僕がこのゴーテルが悲しい人生を歩んでしまった事について、考えてしまいます。

まず、なぜ老いを受け入れられなかったのか。
これは人生の中で老いなければ分からないと思いますが、僕は既に老いを頭皮や体力でヒシヒシ(皮脂ではない(とは言い切れない))と感じています。
そしてこれは同時に、自身の能力の低下を表すもので「老いては子に従え」というどこかの偉い方が仰った名言、若いヤツの言う通りにした方が良いというヤツだと感じています。
ゴーテルさんは、愛し愛される事が無かったんだろうか。

これはきっと、あったと思います。
僕はゴーテルさんは美しいと思います。酒場のおじちゃんのお墨付きです。ナイフ突き付けられてましたが。
ゴーテルさん、ラプンツェルが生まれるまでは魔法の花を利用して若さを保っていました。
若さを保つ意味は、どこにあったのでしょうか。
ただの自己満足なのでしょうか。誰かの為に美しくありたい、美しくあろうと心に決めたのでは。
僕は自己満足のために若くありたいと思う事もありますが、最低でも家族をひっくるめて若返る事を望むと思います。
魔法の花の効力は、一個人のみが対象では無いからです。
自分だけが若くあったとしても、家族で妻や子供が老いて亡くなる事を繰り返していくと、生きる事に耐えられなくなると思います。
それは今の家族の次に家族を作ったとしても、繰り返されます。
であるなら、今の家族を魔法の花の場所まで連れていき、みんなでその効力の恩恵を受けると思います。

ゴーテルさん、自分だけで使っていました。
これは、自分しか使えない状況になってしまったのではないのか。
魔法の花の効果は「時を戻す(若返り)」というものと「傷や病を解消する」の2つが劇中で判明しています。
「死者を蘇らせる」という事は出来ない。ジーニーも同じです。

ゴーテルさんは最愛の人を亡くしてしまったんです。魔法の花の場所に連れて行くまでの間に。
これが深刻な脳梗塞だったとしたら、例えやすい気がします。

朝、普段どおりに目を覚まし、普段どおりに身支度を始めた。
ゴーテルが朝食の準備を始めると決まってダーリン(ゴーテル恋人)は
「おはよう!とってもいい匂いがするね!」と目覚めの挨拶をして身支度を始める。
何も変わらない朝だった。ダイニングテーブルに朝食を並べる。今日は月に一度の魔法の花を使いに山に登る日だ。
「ゴーテル!今日は山登りだろっ!山に行く前に街に行きたいんだ!」とダーリンが洗面所から大きな声で話しかけてくる。
「いーわよー!」と、コーヒーを淹れながらゴーテルは答えた。

ドタッ。

直後に、物が落ちるような音がした。
「どうしたの〜?」とダーリンに声を掛けた。返事がない。
どうしたんだろう。
洗面所には落として音が鳴るような物なんて置いていない。
ダーリンが返事を返さないなんて事は珍しい。

危機感や不安は全く無かった。

洗面所で倒れているダーリンを見るまでは。

「ダーリンッ!ダーリンッ!!」
何が起こったのか、理解が出来ない。ダーリンは無反応ではなかった。
「ゴーヘル、なんか急に眠くなっへね。どうしたんらろう。」
朦朧としているとまでは言えない、急に泥酔したようなダーリンの反応が、全く反応がない事よりも不安を駆り立てた。
これはきっと何かの病気だ、すぐに魔法の花の力で治さなきゃ。

取るものも取り敢えず、ダーリンを抱えて魔法の花を目指すゴーテル。
ダーリンは左半身が辛うじて動く程度で、体に力が全く入らないようだ。
「何が起きてるんらろうな。このまま死ぬかもな。」
ゴーテルは返事もせず、ひたすらダーリンを抱えて走る。ダーリンは続ける。
「魔法の花のおかげらな。今まれ幸せらった。」
ゴーテルは返事をしない。ダーリンは話すのをやめた。ダーリンは知っている。ゴーテルはダーリンを助けたい一心で魔法の花を目指し、悲観的な自分の言葉なんで聞きたくないのだ。
ゴーテルは急いだ。走るとは程遠いが、肩を貸す状態でダーリンを引き摺り、魔法の花を目指した。
道半ば、ダーリンの呼吸が無くなったことに気付いた。しかしゴーテルは進み続けた。

魔法の花にたどり着いた時、ダーリンはゴーテルと接触していた部分以外は冷たくなっており、おそらくは魔法の花の効力も今のダーリンには無力であると悟っていた。

「花は煌めく、魔法の花。時を戻せ、過去に、戻せ。」

こんな事があったら、後を追っちゃいますね。

でも、こんな感じの事が起きていても不思議じゃないですよね。
やっぱり恋人と一緒に居たいと思いますよね。
若返ることが出来るならば、一緒に若返りたい。
そういう背景があり、自身の若さが恋人との約束であったと、設定してほしいんです。

じゃないと、僕には自身の若さがずっと続く意味がわからないからです。

そして、魔法の花はラプンツェルの母親のために刈られます。
魔法の力はラプンツェルの髪に宿ります。
切って持って帰ろうとしたら、効力を失います。

拐います。

ここまでは、分かる気がします。そりゃ拐うよ。僕は拐いきらんけど。

でも、拐ったとします。僕が、魔法の花の力を髪に宿す赤ちゃんを。

多分なんですが。

僕はきっと、この赤ちゃんを愛してしまうと思うんです。

小さな赤ちゃんの髪の毛の為に、小さな赤ちゃんを育てないといけない。
この行為は、いつしか髪の為でなく、この子の為になってしまうのではないかと。
花のままなら必要なかった、赤子にミルクをやり、おむつを替え、夜泣きが煩わしいので寝かせる為に一晩中抱いて。
そのうちに、この子のミルクの飲み方の傾向を発見したり、おむつの汚れるタイミングが分かったり、夜泣きが少しずつ減って、朝まで一緒に寝たり。

初めてつかまり立ちしたり、そこから一歩踏み出して転んだり。

発する言葉に意味や意思があったり、自分の言うことを理解して貰えたり。

「おかあさん」としっかり言えた。

にっこり笑って、抱きついて来た。
ご飯を一緒に食べていると「美味しいねぇ」って言った。
塔に帰ってくると泣きながら「寂しかった」って言った。

気がついたら、この子の事を愛していた。

これは、必然です。
ゴーテルさん、ラプンツェルの事を愛していたに違いない。
そして大きな葛藤があったと思います。
それはラプンツェルの幸せについて。

拐った子供の幸せを願った時、誘拐犯は何を思うのか。
異能の力を宿す髪がある事は王室に帰還することを考慮すれば無視できるレベルであると思います。
国で保護できる環境が既に与えられているようなものですから。
ただ、帰せば幸せなのか。
母と慕う人から「お前は私に拐わされた、他所の子だ」と言われたら、どれほどの衝撃か。
願わくば、本当の親元に本人の意思で帰って欲しいと、考えませんか。

拐われた王女の無事を祈り、毎年王女の誕生日にランタンを飛ばす。

その光がランタンだと知らずとも、その日が自身の誕生日であると知っていたのは、なぜ?

誕生日のランタンをラプンツェルが気付いたのは、いつ?
すべては、ゴーテルがラプンツェルに教えていたのではないでしょうか。

いつかラプンツェルが失われた王女であり、自身の欲のためにラプンツェルを塔に幽閉した諸悪の根源が誰なのか。
この事実に気づいた時。ゴーテルは死ぬ覚悟でいたのではないか。

18歳の誕生日。
ラプンツェルは光の出処を知りたいと、塔から出ることの許可をゴーテルに求めます。
この時のゴーテルの心境は、どうだったのでしょう。
敢えて、劇中で行った嫌味な態度を取ったのではないか。
好奇心は旺盛とまでは言えないが思いやりに溢れる優しい子が、言いつけを破り塔から足を踏み出した時に感じる、自由と罪悪感。
手に取るように、分かっていたのではないか。

そして、その外出を幇助する人が他国の王子であれば良かったのに、よりによって窃盗犯で仲間を裏切るような事を平気で行う男だった事が分かった時の不安感。
こんな奴はラプンツェルの幸せよりも髪の能力を使って金儲けを考えるに違いない。
しかし何故かフリンライダーはラプンツェルの事を真剣に考えてくれた。

この事が判明するまでは、ラプンツェルは自身のもとに置いておくほうが安全という判断で行動していたのではないか。
フリンがラプンツェルの髪を切って異能の力を失わせた事で、心から安心出来たのではないか。

子供を拐った内容の映画がありました。
「八日目の蝉」です。


僕の大好きな永作博美さんが、捕まる時に言った言葉。
「その子はまだご飯を食べていません。よろしくおねがいします。」

これは僕がどの物語よりも子に対する親の愛を感じた場面でした。

ゴーテルもきっと、同じようにラプンツェルを愛していたに違いない。
18年間幽閉した事に対しての償いをしたかったに違いない。

あれ?

18年は酷いな。

ちょっと、急にゴーテルの味方が出来なくなってしまったわ。

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