こんにちは。ダディです
僕の大好きだった俳優さんが逝去されました。
ダンディな個性派俳優と言えば、田村正和さんを連想する方も多いと思います。
僕もその1人です。
独特な表現力をお持ちで、出演される作品に大きく影響してしまうという印象でした。
いちばん有名な作品は古畑任三郎ですよね。
田村正和=古畑任三郎
これが世間のイメージだと思います。
でもこの作品では田村正和さんの演技力というよりも表現力というか、彼の雰囲気と作品自体のストーリーが重視というか、着目されるという印象があります。
僕は「独特な俳優さん」と思っていたのです。
うん。きっとそうなんですけどね。
なんというか、このレベルに達すると楽しんで仕事をしているんだろうという思い込みがありました。
好き勝手にやって、それがオリジナル。
既に完成した田村正和を提供する。
誰も文句を付けたりなんかしない。
いつも通りで、当然。
大御所のどっしりとした構え、姿勢。
「もう演技なんて余裕だよ。息をするのと一緒だよ。」という、本人の自然体で、普通にやっている事だと。
実際は全然違ったようなんです。
「そうか、もう君はいないのか」というドラマで第49回モンテカルロ・テレビ祭最優秀男優賞を受賞した時。
「この数年俳優業の難解さと私自身の能力の間で大変悩んでおりました。したがってこのような賞をいただけることが私には全く信じられないことなのです。」とおっしゃっていました。
演技という仕事に対して、とても真摯に向き合い、研究して、努力を重ね、周囲が充分と感じる中でも自身の技術の向上を追求していらっしゃったのだろうと思いました。
この受賞後のコメントを聞いて、ドラマを観たのです。
描かれたストーリーの家族の形や在り方と各々の想い、全て織り交ぜてとても美しいと感じましたが。
最後のセリフ「そうか、もう君はいないのか」を絞り出すようにつぶやく、あの演技。
愛妻を失くした主人公の悲しみ、寂しさ、侘しさ、自身への不甲斐なさ、妻への愛情、懐古の念。
妻の死を受け入れたというよりも、ようやく諦めが付いたというような。
割り切ることが出来ない男性の情けなさというか。
僕も妻を失くしたら、同じような気持ちになるだろうと想います。
語彙力が無いので、うまく表せないのですが。
その心情を完全にあの一言で再現した。そんな演技でした。
あぁ、観たくなった。
テレビで放送してくれんかな。
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