こんにちは。ダディです。
僕は家族から果物嫌いと思われているようです。
本当は、果物が好きなんですけどね。
妻の実家でデザートが出る頃には、ご飯をたっぷり食べてお腹いっぱいになっているんですよ。
で、デザートは子供達に食べさせてあげたいという気持ちになってしまいます。
なりますよね?
僕は、子供の頃にたくさん果物を食べさせてもらいました。
僕の実家は比較的裕福だったんだと思います。
高級住宅は壁紙が布で出来ているそうです。
確かに、僕の生まれ育った家は壁紙が布でした。
きっと中流家庭だったんです。
特に不自由な思いはしていません。
さて、そんな現在。
妻が共働きをしてくれますので、子供達にある程度の食料は与えられます。
食後のデザートにフルーツを。
妻が買ってきた、格安の梨。
形や大きさが不揃いですが、味と香りは充分。
良い梨を手に入れた妻に感謝です。
そんな梨の皮を剥くのは僕の役目です。
皮を剥くだけで凄まじい香りに、大満足です。
1個剥いて、娘たちに与えたのですが。
切り分けた数は7個になったのです。
2個妻が食べたそうです。最後の1個が、娘たちに撮って3個めとなる状態。
静かに奪い合いが行われていました。
「もう一個剥くけ、取り合うな。」と僕。
「まだあるけん、そんなことせんで。」と妻。
長女が梨から手を離しました。
次女が残る梨のカケラを手に入れました。
僕は新しい梨を剥きます。
そんな次の梨も、どのように振り分けられたのか分かりませんが、最後の1個が残りました。
それを、次女が凄い勢いで掴み取りました。
長女は少し、残念そうにしていました。
最後の1個を取った次女は、ソファに座る妻の元へ。
「はい。どうじょ。」と、手に持った梨のカケラを妻に渡したのです。
「うん。ありがとう。」と妻は当たり前のように食べています。
「あぁ、ガーコ。お前、優しいなぁ。偉いぞ。」と褒めて遣わしました。
次女は1番食い意地が張っています。
てっきり自分が食べる分を長女から奪い取ったと思っていたのですが。
分け与える優しさを覚えたんですね。
これはきっと、長女から伝わった優しさです。
長女は、誰からも教えて貰っていない筈の分かち合う心を、生まれながらに備えていました。
そして、特に食べたくもなかったのですが、僕の意地悪虫が目覚めましてね。
「あぁ、ダディ、梨、食べてない。悲しい。」とインディアン口調で言いました。
すると、なんということでしょう。
長女も次女も、自らの食べかけの梨を私に分け与えて来るではありませんか。
「ダディ、半分あげるよ。」と、食べかけの梨を半分におる長女。
「ダディ、ぞうじょ。」と、さっきまで食べていた梨を、僕の口に入れてくる次女。
何という労りと友愛じゃ。娘達は心を開いておる。
その者青き衣をまといて金色の野に降り立つべし。失われし大地との絆を結び、ついに人々を青き清浄の地に導かん。
ありがとう。ありがとう。お前達。
でもね。僕は子供達のお父さんです。
美味しい梨は、子供達に食べさせてあげたい。
「いらんよ。お前達、食べなさい。」と僕は言いました。
子供達の優しさは、留まるところを知りません。
お前たちによだれの付いた梨とかたべたくねンだわ。
長女と次女から、食べかけのよだれの付いた梨を分けて貰いました。
う〜ん!
美味しい!
剥いていた時から分かっていました。
絶対美味しいはずの香りとみずみずしさ。
安倍元総理なら、必ず言ったはずです。
「凄く美味しいです。ジューシーで。」
彼はビーフジャーキーを食べてもジューシーと言いますからね。
この梨を食べてもきっと、ジューシーさを感じてくれると思います。
いやぁ、美味しかった。
あと1個あるんですけどね。
子供達に黙って、こっそり食べたくなる美味しさでした。
追加で購入しておくように妻に言っておこう。
どこで買ったのかも分かったら、お知らせしますね。
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