空を仰いだ

こんにちは。ダディです。

ちょっと前にブログ用に書いたものを思い出したので貼っておこうと思います。

イタイイタイの飛んでけ!

誰しも唱えたことのある呪詛ですね。

僕も子供の頃によく唱えた事を記憶しています。

妻の実家に私たち家族がお邪魔していた時の事。

次女が何か痛い思いをした様子で泣き出しました。

ばあばの「痛いした?」と言う問いに「たーいした」と答える次女。

ばあばは直ぐ様、呪詛を詠唱します。

「痛いの痛いの~、じいじぃさんに飛んでいけ~!」

するとじいじぃさんが「あいたたたぁ~!」と、苦痛を訴えます。

その後、間髪入れずにじいじぃさんは「痛いの痛いの~、ばあばぁさんに飛んでイケー!」と呪詛返し。

ばあばも「痛い痛い~!」と苦悶の表情を浮かべます。

そしてその痛みは、僕に飛んできました。それを僕は、長女に飛ばしました。

長女は、誰に痛みを与えるのか。

「痛いの痛いの~。。。」

少し、間が空いた気がしました。

そして長女は言いました。

「お空に~、飛んでいけ~!」

なんと。

なんと慈愛に満ちた 終結。

僕は今まで「痛い痛い」は人に飛ばすものと思い込んでおりました。

何故、他者へ痛みを強要する事を是としたのか。

故に、痛みは我が身へ往々と返ってくる事すらあった筈なのに。

想像を絶する事態による感動のあまり。

僕は飛んで行く痛みを見送るが如く、空を仰いだのであります。

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