トイレの水漏れ その2

前回はトイレの水漏れで便器と床の間から水が染み出てくるという現象を説明しました。

今回は他にも水漏れが起きる可能性のある部分をお伝えします。

一番多い水漏れは、ご依頼なさった方も把握していない水漏れです。

先日訪問したお客様は水道局から水漏れしている可能性があるので調べたほうが良いと連絡があったので点検依頼をしたとのことでした。訪問前から概ね見当がついていたのですが、原因はやはりトイレでした。

トイレの便器の水が溜まっている箇所に少しずつ水漏れする事があります。便器とタンクが別体のもので設置から10年前後で発生する場合が多いようです。多くのトイレがタンクの前面や側面にあるハンドルを操作してタンク内の水を便器へと流す方法となっていますが、このタンク内の水を通常止めておく部品が劣化することがあります。フロート弁という部品でゴムでできたボールのようなものや平らなパッキンだったり、メーカーにより形状は違いますが機能は同じです。また、タンク内の水が無くなったことを感知して水を供給する部品でボールタップというものが水を止められなくなっている事もあります。どちらの部品が劣化しているのかを判定するにはタンクに水が溜まってから5分程度後のタンク内の状態を確認すると良いです。タンクの中にはオーバーフロー管という直径2〜3cmの筒が設置されています。これはタンクの中の水が適量を超えて供給された場合に溢れにようにするためのものです。このオーバーフロー管にWL(おそらくウォーターライン)という線が書かれていることが多いです。その線は通常その線に水位があることを示します。そのWL付近に水位がある若しくはWL付近まで水位が上がらない場合はタンクの水を止めておくフロート弁の不良です。WLを超え、筒の上まで水が溜まった状態であればボールタップの不良です。

かなり古い型式のものでも殆どの交換部品は供給されています。

また、全く水が止まらずタンクに水が溜まらないという事もあります。前述のオーバーフロー管が根本から折れてタンクに供給された水を全て捨ててしまうのです。応急的な処置は可能ですが早めの取替が必要です。

近年発生の頻度が増えているものは水を流すとタンクの下から水が漏れるというものです。それも結構な量が出てくることがあります。これはトイレタンクのフタの部分に水を出す手洗器というものが設置されているトイレで起こるもので、陶器のタンクの中に樹脂製のタンクがもう一つある造りのものです。フタの上から水が注がれ、陶器タンク内の樹脂製タンクに水が落ちる時の飛散防止のための清流パッキンという部品があります。円形のスポンジのようなものです。これがタンク蓋の裏に貼り付けられているのですが経年により脱落して樹脂製タンクの水の入り口を塞いでしまいます。樹脂製タンクの上から溢れた水が陶器タンクの中に溢れてしまうと、この陶器タンクは水を溜める機能がないため殆どが陶器タンク外へ排出されます。取り除くだけで使用可能な状態になりますが各メーカーの取替部品への交換をお勧めします。

他、極稀にタンクフタの手洗器に水を供給するホースに穴が開き、タンク外に水が飛び出すことがあります。

トイレまわりの水漏れは他に思いつきません。

あとは水が出ないという事案も多いです。

断水作業後にトイレだけ水が出なくなったという依頼です。これは断水作業中室内の水を使うことによって水道管内のサビや汚れが流れてきてしまう事によって発生します。トイレタンクに接続されている給水管のタンク付近にストレーナーというゴミを取り除く網が設置されていると、ここにサビや汚れが溜まり水がトイレ内に流れなくなってしまいます。ストレーナーを洗えば改善することが多いのですが、稀にボールタップに汚れが詰まり交換が必要となる場合があります。先日自宅で給水管の取り回しを変更した際に塩ビ管用の接着剤を付けすぎていたようでトイレのボールタップ入口の消音器を固まった接着剤が詰まっていました。

他、タンクの上にある手洗器から水が出なくなりタンクに水が貯まるまでの時間が長くなったという事案もあります。数回に1回は正常になる場合もありまして、全く使用できないわけではないので修理依頼をためらいがちになるそうです。これはダイヤフラムというボールタップの内部部品の劣化によって発生します。

トイレの水が流せなくなったという事案もあります。タンクの水を流すときに操作するハンドル本体が破損していたり、ハンドルとフロート弁を連結するチェーンが切れていたり。

トイレの水に関することはこのくらいです。

何れにせよ早めの修繕が精神衛生上宜しいかと存じます。メーカーとトイレタンクや便器の品番が本体側面やタンク前面や側面に記載されていることが多いので、修理依頼をする際は確認して依頼先に伝えると修繕が比較的速やかに行われると思います。

トイレが詰まったという依頼も多いのですが、排水管関係の事を記事にするときに。

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